フェンダーを全部外した後、作業開始です。赤矢印のタペット・カバー取り付けボルトをゆるめます。オイルがこぼれることを考えて、オイル受けを用意する周到さ。このボルトをゆるめる時のトルクは感覚で覚えていてください、かなりゆるいはずです。締め付けトルクはわずか0.5〜0.7kg-mです。取り付けるとき、締めすぎるとオイル漏れの原因になります。
ボルトをはずし、バールでコジるとカバーがはずれました。げ!ウェスひいておくんだった。オイル垂らしてしまった。カバーには液体パッキンを併用してゴムパッキンが張り付いていましたので、これもスクレーパーではがし、カバーは灯油に浸けておきました。年式によってはカバーには上下があるそうです。ご注意を。
ピンボケで申し訳ない、ワシのデジカメではこれ以上アップにできないのです。2CVはOHVですからプッシュロッドがロッカー・アームを押すことによりバルブが開閉します。で、赤矢印がプッシュロッド、青矢印がロッカーアーム、緑矢印がバルプスプリングです。ちなみに前側(写真では左側)がエキゾースト、後ろ側(写真では右側)がインテーク側です。
コレはプラグホールにドライバーを差し込んで圧縮上死点を探っているの図。クランクシャフトに14mmのレンチをかけ、時計回りに回していき、バルブの動きとドライバーの位置で圧縮上死点を見つけます。要するにクランクシャフトを時計回りに回しながらインテーク側のバルブがガバっと開いた後、ドライバーが最高点に達する位置が圧縮上死点です。くれぐれも排気上死点と間違わないよーに。圧縮上死点では両方のバルブが完全に閉じるので、クリアランスはここで調整します。ちなみに開けた時点ではクリアランスはゼロでした。ブチさんの見立てによると「普通はクリアランスでかくなってかちゃかちゃ音がするようになるんだけど、この場合はバルブシートが減ってるんだろーね。」とのこと。OH間近かぁ(; ;)
写真ではわかりにくいのでイラストで説明します。青はプッシュロッド、緑はロッカー・アームです。まず赤いナットを10mmのメガネでゆるめます。次いでピンク部分に0.15mmのシグネスゲージを差し込み、黄色のアジャスト・スクリューを回して調整します。決まったら、黄色のスクリューをマイナスドライバーで固定しながら赤のナットを締め付けます。でないと、スクリューが共回りしてしまいます。これでオシマイ。インテーク側、エキゾースト側共、クリアランスは0.15〜0.20mmに調整します。
調整は非常にデリケート。10mmのナットを回していると、ドライバーのガタぶん、スクリューがずれます。手先の感覚が大切。
エイデンシャでゲットした新品のゴムパッキンを装着し、トルクに注意しながら組み立てます。この後、漏れた分のオイルを補充、エンジンを始動してオイル漏れをチェックしてオシマイ。