サスペンション・ブッシュ交換(リア編)


 先週に引き続き、リア編です。リアはトレーリング・アームブッシュとスタビのエンド・ブッシュのみですが、ケッコーなバラシが必要です。今週もB's GARAGEにごヤッカイになります。



 前回と同じイラストにご登場願いました。赤のトレーリング・アームブッシュはアクスル部に圧入してあるため、フロント・ブッシュのように簡単にはいきません。トレーリング・アーム、トランスバース・リンク、スタビライザー、ストラットを全部はずし、さらにドライブシャフト、ブレーキ関係も全部ばらす必要があることがわかります。

 いきなし、核心部のボルトをはずしにかかっています(^^;。今回も用意するレンチは17mmと13mmがメイン。アシ周りバラシには、やはり1/2inchのラチェット・セットが欲しくなりますなぁ。

 次にブレーキ、行きます。ブレーキ・キャリパーの赤矢印のピンを抜き、クサビを青矢印の方向にハンマーでけこけこ叩きます。上下のクサビを抜くとキャリパーがごろりと抜けます。黄色矢印の17mmのボルトを外すとキャリパーのベースもはずれます。

 フロント・ブレーキの時と同じく、キャリパーは落っこちないように針金で吊しておきます。ブレーキ・パッド、ローターは9万キロ目前のデルタでもまだまだ交換の必要はありませんでした。

 例によって2本のボルトをはずすとローターがはずれます。私のはスペーサーが入っています。もう、ブレーキは取ってしまったのでボルトはインパクトレンチで緩めました。と言ってもこのボルトは大したトルクで締まっているわけではないのです。どうせローターはホイールのボルトで共締めなのですから。

 スタビライザーは頼りない金具でくっついています。エンドブッシュのヘタリも極小。こいつは新品に交換です。

 問題はトランスバース・リンクを止めている17mmのロングボルトです。再三のCRC攻撃、ハンマー攻撃にも全然抜けません。裏側を見るとがびがびに錆びています。で、ついにブチさんにSOS。こんな長いハンドルを使っても作業は繊細に!力を掛けすぎるとボルトが折れてしまいます。

 さすがのブチさんでもボルトは抜けず。ガスであぶることにしました。こーなるとシロートのワシは困っちゃうところなのです。それにしても新車組立の時に配慮してくれればこんなことになることは無いのです。流石イタリア人の仕事です。結局、やっとの思いでボルトの引き抜きに成功。あとは34mmのセンターナットをインパクト・レンチで緩めてドライブシャフトを抜き、ストラットの17mmボルト&ナットを緩めればアクスルが外れます。あ、あとアンチロック・ブレーキのセンサを外すのをお忘れ無く。

 行き場を失ったドライブシャフトはだらりとぶら下がってしまうので、ウマをかませておきます。

 アクスルからブッシュを抜くにはプレスが必要です。こればっかりはプロのゴヤッカイにならなくてはいけないのです。

 左が新品のブッシュ。ゴムの部分が多い強化品であることがわかります。これでリア・セクションががっちりするかも。ちなみに右のノーマル品の矢印部は完全に千切れてしまっています。

 組立は逆の手順です。憎っくきロングボルトはカッパーグリスをお見舞いしておきます。ただし、次回コレを抜くことになる前にクルマの寿命がつきてしまうかも知れないっす(^^;

 デルタのリア・ブレーキはサイドブレーキと共用なので、ピストンは押し込むことができません。写真のようにドライバーとかを駆使して矢印の方向に回していくことにより、引っ込めることができます。今回はパッドの交換はしないので、ちょこっと引っ込めるだけでOK。ただし、この溝の向きは水平にしておかないと組立の時にパッドが入りません。

 無事組み上がったリア・サスペンション。スタビの取り付けはちょっと苦労しましたけど。朝の11時に作業を開始し、午後4時に終了。

 さて、試乗です。明らかにリアの剛性がアップしたのがわかります。ただし、今回アシ周りを全バラしたためにアライメントがめちゃくちゃになりました。ステアリングも左にちょっと傾いてしまいました。町のアライメント・テスタに乗っけるとバカ高いので簡易修正をしました。

 B'sにあったダンロップの簡易トー計測器。トーインは2度で、問題なし。ただしフロント・キャンバが左右でかなり差があったため、強引に締め直しました。

 結果、若干左に取られるようですが、通常では問題なし。詰めは後日ということでこの日はちょん、となりました。なんか、デルタに惚れ直しました。やはり、良いクルマだね。


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