LHM交換('99 11/13)


 ハイドロ・シトロエンのブレーキ・タッチは結構特殊で、ストロークが極めて短いため、慣れない人はロックさせてしまうことも多いようです。また、ワシのXantiaの固有の問題なのか、ぶにゅぶにゅしておっかないのです。デルタとか2CVのすばらしいタッチのブレーキを知ってしまった私としては、こりゃなんとかしたいと思っていました。で、エア抜きついでにLHMの交換もやってしまうことにしました。なにしろ、ブレーキ、パワステ、ダンパーのフルードを一気に交換できてしまうわけですから(^^;2年に一度くらい交換した方が良いそうです。
 ワシのXantiaは'95年型(RP6797、1995年6月8日生産)なのでアンチシンク機構がついています。BX以前のハイドロ・シトロエンはエンジンを停止してHPポンプが止まると車高が落ちる(これをコアな人々は「お座りする」と言うらしい(^^;)のですが、アンチシンクではそのお座りまでの時間を遅らせるためにフロントとリアにアンチシンクバルブを設け、サスペンションからのLHMを遮断してしまう構造になっています。マツダの追補版マニュアルによればアンチシンク車のメイン系統の減圧は別な手順が必要、とありますが実際はそんなに気を使わなくても良さそうです。どういうことかと言うと、
 おいおい、車高下げてから、どうやってジャッキアップするんだ?そりゃ、ディーラーにはリフトがあるからへーきなんだろうけど......
 というわけで、今回は各ホイールうんぬん....つーのはすっ飛ばしてやるつもりです。ちなみにLHMは普通のブレーキフルードと同じく、塗装面を侵すそうです。フェンダーに垂らさないように。(って書いているときはワシが垂らしてしまった証拠でもあります(^^;)

 まずは言いつけに従い、エンジン始動して車高を最低にし、プレッシャー・レギュレータのブリード・スクリューを12mmのレンチで緩めます。プレッシャー・レギュレータはエンジン前側、メイン・アキュムレータのとこにあります。ブリード・スクリューはくれぐれも緩めるだけにしてください。内部には小さいボールとスプリングが仕込まれており、これを飛ばしちゃうと大変なことになりそうです(^^;スクリューを緩めると「ぴゅ〜」という音がして、油圧が抜けるのがわかります。


 LHMのリザーバ・タンクからLHMを抜きます。灯油の手押しポンプなんかでも良いでしょう。抜いたLHMはそんなに汚れてませんでした。また、早まったか(^^;

 リターン・ホースの群(^^;をホースクリップからはずしておき、リザーバ・タンクの押さえスプリング、10mmのボルト2本をはずせば、タンクを下ろせます。写真の蓋側にはゴミ取り用のストレーナが2つついています。これも外します。

 ぼよん。リザーバ・タンク。今回はB's GARAGEさんのパーツ洗浄液で洗いました。

 うをっと。ばっちぃぜ、ストレーナー2個です。これもキレーに洗っちゃいます。

 タンクを元通りにセットし、LHMを投入したら4.5Lほど入りました。ここでブリード・スクリューを締め、エンジン始動したら車高が上がってこない(^^;コンソールを見ると「STOP」サインが出っぱなしです。で、エンジンかけたままブリード・スクリューを一旦緩め、もう一度締めたら車高がゆるゆると上がっていきました。めでたしめでたし。
 ここでジャッキアップ、タイヤを外してエア抜きです。ハイドロはエンジンかかってないとブレーキは効きません。エア抜きもエンジン始動中に行うことになります。

 2CV用のワンマンブリーダーでエア抜きの図。実はハイドロはワンウェイバルブは必要ありません。シリコンゴムホースとペットボトルでエア抜きできてしまいます。普通のクルマのようにブレーキペダルをがっこん、がっこん踏まずに、じわっと踏めばエアを含んだLHMがにょろにょろ出てきます。で、残念ながらブレーキ系統のLHMも綺麗でした。うーん、改善は期待できないかも〜。この調子で4輪やります。フロントのブリードはすんごいとこにあって、ホースつなぐのが一苦労でした。ブリードは8mmのフレアナットレンチを使います。ま、メガネでもOKですけど。あとABSもエア抜きが必要なはずですが、今回はパスしました。

 エア抜きが終了したら、また車高を最大にし、リザーバ・タンク上部の透明な帽子でLHMレベルを確認します。矢印の赤い線の間に浮き子があればOKです。

 さて、試運転です。なんか突き上げが減ったような気もしますが、たぶん気のせいでしょう。人間、なにか作業をしたらその代償を求めがちです。でもまぁ、血を入れ替えたみたいで気分は良いです。ブレーキのタッチも改善せず。こりゃ社外パッドしかないかなぁ.....
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