懸案の右リアホイールを外してみると、LHMではなく、なんとグリスがべっとり。ホイールの内側にまで飛散していました。な、なんでだぁ!
すいません、写真は突如左リアになります(^^;で中央の丸いハブキャップを外すのですが、コレが取れない。叩き込んであるだけなのでドライバーでコジれば取れるはずなのですが......ニッチもサッチも行かなくなったのでエイデンシャの新井さんにTEL、パーツの在庫を確認してから、ハンマーでドライバーを貫通させ、壊して外しました。ちなみにこれを付けておかないとグリスが飛散します。
ハブナットが出ました。で、デカイ(^^;コイツをゆるめるには、なんと薄口44mmのソケットが必要です。B'sで作業してて良かった。ん?でもよーく観察してみるとナットの周囲はタガネで掘られたようにザクザクになってます。この写真は左リアですが、右リアはナットがゆるんで、ローターがガタガタになっていました。これが原因でベアリングのグリスが飛散し、内部に入り込んでいたようです。要するに前にOHした工場に薄口44mmのソケットの手持ちがなく、ナットをタガネのようなものでゆるめたり、締め付けたりしていたようです。恐るべし!このハブナットもエイデンシャに在庫がありました。一安心です。
ドラムはなかなかはずれません。ハンマーで叩いてしまいがちですが、間違ってもシューの当たり面を叩いてはいけません、一発でジャダー・ブレーキになります。実はここでもう一度ホイールをはめ、ホイールナット3つをゆるゆるに取り付けます。で、タイヤを両手で持ち、スライディング・ハンマーよろしく手前にガコガコひっぱると、アラ不思議、ドラムごとはずれます。
右リアのドラムを外したところ。予想どおりグリスが飛散してます。ブレーキライニングはグリスを吸い込んでしまい、もう使いモノになりません。さらに上部緑色のピストンの左右からはLHM漏れが確認できました。
イラストで説明します。
三日月型茶色の左右ライニングは下部の青いのナットの軸を支点にして、左右に開かれてローターに押しつけられるようになっています。ライニング中央部の水色の丸はライニング止めピンとスプリングです。上部緑色のピストンは左半分が断面図として描いてあります。ピストン中央部に開けられた穴は下がブレーキラインからのLHMが、上はエア抜きバルブ用です。下の穴からの油圧によりクリーム色のコマが左右に押され、これによってライニングが広げられる仕組みです。クリーム色のコマの中には黒色のOリングがあって、これによりLHMが外部に漏れ出さないようになっていますが、ドラムブレーキの弱点はここです。どうしても経年劣化によってここのシールが弱って、LHMが漏れだしてしまいます。さらに外側のゴムブーツも劣化します。黄色の六角偏心ナットを回すことにより、ライニングは微妙に左右に調整することができます。また、ライニングの左右調整は波線部のカムによって、裏側から調整することもできます。以前、調整したのはこのカムです。
さて、バラシてみましょう。黄緑色の回り止めプレートの爪をドライバーによって開き、青色のナットを11mmのソケットで外します。次にライニング中央部のピンを抜きます。これはピンを裏側より手で押さえ、プライヤーでスプリングを圧縮、そのプライヤーの先でピンをつかんで90度回せば外れます。これでライニングとU字型のスプリングが外れます。次にピストンのブーツをめくってマイナスドライバーでコジってコマを引っ張り出します。これで終了。各パーツはブレーキ・クリーナーで良く洗浄します。
すっからかん。
外したコマはブーツ、Oリング、を取り、エッジ部のゴミも綺麗にしておきます。で新品のOリング、ブーツをはめ、Oリングに付属の専用グリスをたっぷり塗っておきます。
エイデンシャで仕入れたブレーキライニング。左右、方向は無いようです。組み付ける前に摩擦面をサンドペーパーでさらっておきます。コレをやらないと交換直後、ブレーキ全然効きません。また、上記イラストでローターが黒矢印に回転する場合は赤矢印の部分を鉄ヤスリでナナメに削っておくと泣き止めになります。
組み付け終了。ライニングが新品なので、イラストで黄色の六角偏心ナットはライニングが一番引き込んだ状態になるようにして固定しました。イラスト波線部のカムも同様に回しておきます。
ローター内部もブレーキ・クリーナーで洗浄し、新品のハブナットを締め付け、回り止め部はポンチで曲げておきます。で、写真のように14mmのレンチで赤矢印の方向に締め付け、ローターが若干擦るくらいにライニングを調整します。
エイデンシャで買った新品のハブキャップはプラスチック製。次回からは楽にはずせます。
あとは前回やったようにエア抜きをして終了。果たして、ブレーキは見違えるように効くようになり、ペダルの踏みごたえも「岩」のようになったっす!