野田悟朗

2008年11月20日

 以前、向ヶ丘遊園のライブハウスにソロギターで出演しようとしたことがある。お店側からブッキング相手として野田悟朗というギタリストを紹介された。なんでも脱サラして全国を放浪してツアーをやっているらしい。ほどなく本人から連絡があった。関西からやってきて、宿代を捻出できないのでクルマで寝泊まりしてるらしい。それならば、ということで下北の僕らのマンションに泊まってもらうことにした。身長180cm近い丸坊主の大男だった。
 実はライブ当日、僕の母親が急病で入院、やむなくライブをキャンセルしたので競演はできなかったが、その後mixiで彼とはコンタクトが取れた。Ralph Townerを愛し、ECMを愛するのはいいが、周囲への毒づきは際限がなかった。音楽だけで勝負すればいいのに、自分の音楽をWEB上で必死に解説し、擁護していた。その上同じ音楽を行う者として、絶対に、どうしても許せない発言があったので僕は牙を剥いた。最初は掲示板、その後メールでの丁々発止のやり取りがあったが最後には僕はあきれてしまい、マイミクを切り、アクセス禁止にした。そして、彼のことを忘れ去ることにした。
 その、たぶん2年後の2006年6月、彼が自ら命を断ったということを今日、はじめて知った。下北のマンションでの彼の風貌、在り方を見て、「こいつ、あまり長生きしないな」と思ったらその通りだった。でもさ、死ぬこたぁないだろうに。いまさらながら、合掌。

彼の名前は未だにmixi上にあり、Ralph Townerコミュニティの管理人は彼のままだ。インターネットってつくづくこういうところはダメだなぁと思う。ユーザーが死ぬことなど考えていないのだ。



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