検査入院(2)

2010年04月07日

 あんまり良く寝られなかったけど7:00起床。腰が痛い。カテーテルが刺さっていた患部はやや鈍痛。朝飯はサワラの西京焼き。うむ贅沢だ。米も美味いぞ。
 8:30にはYっちもやってきた。このまま退院できそうなんだけど、先生の問診があるので待つ。。。。。なんと午後3時半まで待たされた。
 診察室へ入ると、先生は開口一番「実はもうひとつ動脈瘤がみつかりました。」と言うではないか。「それも(がんどうみゃくりゅう)ってやつです。」これを聞いて僕とYっちは戦慄。ガンってなに?聞いたこと無いぞ、悪性なのか?え?どうなんだ??でも良く聞くと目に行く動脈、眼動脈にできるから眼動脈瘤と言うのだそうだ。なーんだ。
 なーんだ、じゃないだろ。2つもあるんだぞ、動脈瘤。折しも今朝、くも膜下出血を起こしたGのキムタクコーチが亡くなったばかりだ。動脈瘤が破裂すればくも膜下出血なのである。
10040701.gif 先生の説明は実に簡潔だった。新たに見つかった眼動脈は頭蓋骨に隠れて見えづらかったのだ。MRIはコンピュータで画像を補完してしまうから、なーんとなくもこっとしか写らなかったのだけど、アナログ写真は正直である。実は細かく撮影の角度を調整して初めて捉えることができたそうだ。それの調整で検査は3時間もかかった。
 まずは今まで見てきた方、思ったより大きくなかった。そして入口はかなりくびれていた。ありがちなパターンらしい。ただし、このくびれから出ている細い血管に注目。うっかりこの細い血管を塞いでしまうと、半身不随となる重要な血管らしい。開頭クリッピングならばこの細い血管を避けてクリップすれば良いらしい。また、カテーテル治療であれば、動脈瘤の奥からコイルを詰めてゆき、細い血管の手前で止めればいいらしい。
 問題は新たに見つかった方だ。ここに出来る症例は珍しいらしい。開頭したとしても動脈瘤のほぼ全体が頭蓋底に隠れてしまっているため、まず、リューターで頭蓋骨を削るのだが、削ったときの熱で、左目に行く視神経にダメージを与える危険があるらしい。悪くすると左目失明、あるいは視野に障害が起きるそうだ。かといってカテーテルでの問題は、この形状だと「ワイドネック」ということになる。開口部がデカいから折角充填したコイルが動脈内に出てきてしまう危険性がある。したがってバルーン・カテーテルという特殊なカテーテルで血管内の位置を確保してからコイル充填する必要があるが、かなりテクニカルらしい。日本ではまだ使用が認可されていないステント、という網ストローみたいなのが使えれば楽なんだけどと先生は言う。
 ただし、眼動脈瘤はどちらかというと破裂する可能性はやや低いからこのまま経過観察をしてみる、という手もある。さぁどうする。でもぐちゅぐちゅ言っていても仕方がない。とりあえず、奥側の動脈瘤をカテーテルで処理することに決めた。実は2つ同時に手術することも可能らしいが、いろいろと危険らしいので(長時間放射線を浴びつづけることになる)、手前側は見送ることにした。ちなみに亡くなった木村コーチについて、先生は「首絞められたのとおんなじですよ」と言っていた。
 そしてXデーは6/4(金)と決まりました。



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