勇気ある撤退

2010年05月12日

 入院&手術を月末に控え、最後の検査、麻酔科の問診のために広尾の日赤病院へ。検査の前に脳外科の先生と問診。カテーテル治療の実績の多いこの先生は「どうしても」僕と話しておきたかったのだそうだ。その理由は、やはり「合併症の危険が高い」と考えているせいだったらしい。
 前回の検査入院ではっきりした患部の形状、大きさ、総合的に判断して、これが破裂する危険性は実は、「交通事故に遭う可能性」くらいたぶん低い。これに反してカテーテル治療での合併症の危険性ははるかに高いのだそうだ。実際、先生も施術中に「危険だ」と判断したら、その場で撤退することも考えているのだそうだ。
 たとえ可能性が低いにせよ、いつ破裂するかわからないものをかかえて生活をすることが、どうしても堪えられないのであれば、満を持して手術に踏み切るという判断もあるだろう。でも、僕は今は何不自由無く暮らしているし、酒もフツーに飲んでいるし、睡眠もバッチリだし、ウンチもちゃんと出ている。であれば何も危険を冒して手術をやる必要もなかろう。「合併症」とは僕の動脈瘤の場合は「右半身不随」を意味し、体だけではなく、言語障害だって考えられる。もちろんギターだって弾けなくなるだろう。
 先生の話によると僕の場合、問題の細い血管はバイパスがないため、一度塞いでしまうとリハビリも効かないそうだ。ますますヤバいじゃないか。ギターが弾けないどころじゃなく、働けなくなるかもしれないのだ。
 今日の話し合いで、疑問が氷解した。要するに僕が動脈瘤の破裂にビビってないことを先生が認識した時点で「もうちょっと様子を見てもいいんじゃない?」ということだ。ガンと違って進行するものではないし、破裂に関するメカニズムはやはり、まだどうやらわかっていないのだ。
 ということで、入院&手術、もろもろの手続きを全部キャンセルしました。とりあえず9月にまた、CTを撮影してみて、考えます。でも、この考え方に至ったのは、前回の入院検査で「本当の現状を把握できたから」なのです。これだけは確かです。
 一度決めてしまうと、いろいろと楽になりました。死んだらまぁ、仕方ないじゃないか。これからはやりたいように生きたい。なんかすっきりしました。ご心配いただいたみなさま、ありがとうございました。


コメント

なるほど正論だ。しない方が良さそうですな。人間、誰でも死ぬときゃ死ぬからね。

じゃ、夏の耐久 行ぐ?

状況確認が出来て、今後の対応についての考え方も確立できたのはとても良かったと思います。何より、敵のことをよく知ったのは大きいですね。秋の検査で、状態が安定していることを祈ります。

結局何の解決にもなっていないのですが、辛い入院検査によって現状の正確な把握ができたのは大きな収穫だと思っています。

>Junちゃん
エントリーフィー、宿泊代、ガソリン代、とても捻出できましぇん。。。

>石踊
そうやって5年間も様子を見続けた患者さんも居たそうです。

お疲れ様。撤退よろし。
想像の域を脱しないんだけど・・・
もし私も同じ立場だったら、きっとそうしたと思う。

良かった。とても気にかかっていました。
そう。
やりたい事を楽しくやって生きよう!!

双方、医師もMin2も”ぶっちゃけ”話ができたことはとてもヨカッタと思います。昨今、何だかんだ言って、切った張ったしたがる医師が多いので。こっち系の業界で働いていると、◎な医師、×な医師の違いって、まともに対等に話ができることなんだよね。

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