TO CHI KAセッション

2011年02月11日

 1980年リリースの渡辺香津美のセッションアルバム「TO CHI KA」は僕がジャズギターにのめり込むきっかけになったレコード。高校3年生だった僕が受けた衝撃はもの凄かった。リッチー・ブラックモアでもジェフ・ベックでも高中でもなく、「カヅミ」だと思った。日本人がアメリカの腕っこきのスタジオ・ミュージシャンとのセッションワークで作られたこのアルバム。マイク・マイニエリ(vib)、マイケル・ブレッカー(ts)、マーカス・ミラー(b)、トニー・レヴィン(b)、スティーヴ・ジョーダン(ds)、ピーター・アースキン(ds)、ケニー・カークランド(kbds)にジョー・キャロ(g)という、とんでもないメンツだった。当時モーリスのフォークギターしかもってなかった僕は友達からレスポール・ジュニアもどきみたいなボロエレキを借りて、毎日練習した。見たことも無い、へんてこなコード、スケール、それと人間業と思えない早弾き。
 香津美のソロの場合、譜割りの揃った高中なんかのフレーズと違って訛り、というかタメとツッコミが豊富なので譜面にすると変な5連譜とかになっちゃう。音が追えただけではコピーできない、という難しい面を持っていました。
 それはともかく、なんとなくフュージョンって凄いぞと思った僕はジャズライフの広告で香津美とマイニエリ、ブレッカーというなんだか似たようなメンツのライブが六本木ピットインであるぞ、という情報を聞きつけ、小遣い集めて弟と見に行ったのが後にセンセーションを巻き起こすSTEPSでした。
 僕の今の音楽のひとつの原点、がこのTO CHI KAなんですが、mixiにこのアルバムだけを愛するコミュニティがあったので入っていました。去年あたりからここの有志が「じゃ、セッションやろう」という無謀な企画(笑)を立てているのは知ってましたが、なにしろTO CHI KAですよ、凄い腕っこき集めないと曲にならんでしょ、と思って敬遠してました。だってコクモ・アイランドなんて絶対無理だよ。ブレッカーだし。
 で、今年もやる、ということは知ってたんですが、直前になって「見学だけしてみっか」ということになったわけです。だって、エレキギターなんて最近ほとんど触ってないし、あんな難しい曲できるとも思わないし。
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 場所は赤坂のライブハウス。最近流行の参加型ライブハウスね。こういうオフ会セッションは昔ニフティーサーブのロック・プレイヤーズ・フォーラムっていうのでいろいろ参加させてもらっていたのだけれど、流石に参加者は少な目。そりゃそうだよね、敷居高すぎるもん。ちょこっとやりましょーや、じゃできねーよ。ま、オレは今日は見学だけだし、ビール飲んじゃおっと。
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 で、流石TO CHI KAセッション。ギタリスト名義のアルバムだからギターばかりが集まっちゃうが通例なんだけど、マーカス・ミラー命、みたいなベースの方もいらっしゃったりして、密度が濃い。というか年齢層めちゃめちゃ高い。全員40代以上(^^;
 演奏はA面(笑)1曲目リキッド・フィンガーズからスタート。うわ、すげ。完コピしてる。ヒロキさんのマーカス、超カッコいいじゃん。うーん、レベル高い。やっぱり見学にしておいて良かった。
 なんて言っていたら主催のしんすけ♪さんが、今日は来るはずのギタリストが用事で来られないとのこと。なんか弾けます?って言われちゃった。
 「え?え?あートチカならもしかして」
って言ったのがまずかった。お店にあったアコギを早速スタンバイされてしまった。もう、引くわけには行かない。演奏者チャージの2,000円を払ってステージへ。でもビブラフォンいないよね、絶対無理だよ。この曲はアコギとマイニエリのビブラフォンのデュオなのだ。そしたらさっきまでギター弾いていた「なおとり」さんが、「僕が」というのでナニ?と思ったらなんとギターシンセのビブラフォンの音でやるという。つーことでぶっつけ本番、リハ一切無しでTO CHI KAやってしまいました。当然ズダボロ。
 あーあ、と超自己嫌悪。もうかんべんして、と思ったらあの有名なUNICORNのリード弾くひとが居ないという。なんじゃそれ〜。お願いできませんか、と言われ、確かテーマは弾けたような気がしたなぁと持参した30年前のコピー譜を譜面台へ。ギターはお店のストラト。あー、オレストラトのメイプルネックって大嫌いなんだよなぁと思ったが仕方がない。BOSSのオーバードライブかませてアンプへ直イン。実はこの曲、30年来のあこがれの曲でありました。まさかこんなぶっつけ本番で演ることになろうとは。。。。。確かソロはDmの一発で行けるはずだからAのコンディミとかでぐじゃぐじゃにしちゃえばなんとかなるか、ああ後テーマのあとになんか難しいキメがあったよな。。。と思ったらドラマーがカウント打ってる、やば行っちゃえ。

ボロボロ。すみません、本当に。


コメント

ぶっつけ本番で演奏されるところがすごいです。素敵な演奏ですね。
ビブラフォンシンセギターっていうのは素敵な音ができるんですねぇ。それにしてもすごいや、そんなの1年練習しても弾けません(>_<)

みなさんの足を引っ張らないように、それだけ気を付けました。

グッジョブ♪
ユニコーンをココで聴けるとは(笑)!
パイオニア(だっけ?)のCMを思い出したよ!

おお、わぎわぎちゃんありがとう。
来年はKYLYNも混ぜるらしいよ。行く?

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