「男たちの晩節」松本清張著
2007年02月24日
恥ずかしながら松本清張の小節を読むのはこれが初めて。状況描写、キャラクターづくりは重厚にして緻密。人生の終焉を迎えつつある男達を淡々と描く。かえってこれがストーリーへぐいぐい引き込んでいくのは流石。
時代はどれも昭和30年代。ちょうど僕の親父の世代がバリバリ働いていた頃が舞台。醜く年老いていく男達の物語が続く。僕ももう、半分ばかり足を突っ込んでいるのだなぁの感慨あり。会社に尽くした広告部長の悲劇を描いた「空白の意匠」は秀作。そのまま短編ドラマになりそうです。甘めの★5。
男たちの晩節
- 松本清張
- 角川書店
- 540円
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書評/ミステリ・サスペンス