クレーンギターズ
2009年05月15日

どんな世界にも偏執狂ってひとたちが居る。いわゆるコレクターと呼ばれる人種。たとえばミニカーマニア。シリーズの全種類を集めるのなんてアタリマエ、同じ車種でも箱が変われば全部買う。ごく一部のロットだけ、ホイールの色が違ったりすると大変、レアものお宝になっちゃう。たとえば一部のカーマニア。英国車MGに乗っていた時もそういう連中がいた。オリジナルのストロンバーグのキャブレターの調子が酷くて、イタリア製のウェーバーに載せ替えを検討していたら、MGB乗りから「裏切り者!」というメールをもらったことがある。mixiのギターのコミュなんかも、なんだか魑魅魍魎がいっぱい居て、ヤレ、ペグは音質に影響するだの、リペアはどこそこに任せないとダメとか。どーでもいーじゃん、大した差はないよと思うのだが。
なんかネガティブなこといっぱい書いちゃったけど、それがビジネスならば話は別である。イシバシ楽器の新宿店の店員だった岩本君が独立して開いたお店がまさに、マニア向けのギター屋でした。ロケーションはハマは元町のメインストリートから一歩裏手に入ったビルの3F。イシバシ楽器ではアコギコーナー担当だった岩本君、実は強烈なビートルズ偏執狂だったのでした、わはは。なにしろ、ビートルズに関わる楽器、グッズを専門に扱う超ヘンタイ系ギター屋だったのであります。僕なんか見てもゴミにしか見えないリッケンバッカー、グレッチのフルアコ、ヘフナーのベースなんかがずらり勢揃い。だって正直楽器としては出来の悪いやつらばっかりなんだよ、これ。でも一本一本には由緒があるらしく(勿論ホンモノじゃないけど)、1960年のハンブルグ公演のときのアレ、とかソレとか解説と写真が付いてる。



隣のコーナーはフェンダーのストラトキャスターが並ぶ。なんだ、マトモな楽器もあるんじゃない、と思ったらどうやら様子が変だ。なんだかどれもこれも汚いギターばかり。それもそのはず、新品ギターをわざと加工してきちゃなくしてるのだ。エイジング、って言うらしい。あの、例の汚いGパンと同じね。フェンダージャパンのストラトのウレタン塗装を剥がし、ラッカーでサンバースト仕上げにして、さらにぼこぼこキズ付けたり剥がしたり。もちろんホンモノの写真見ながらやるらしい。ネジなんかも全部錆びてるんだよー。置いてあったのはあの、クラプトンのブラッキーそっくりなやつ。


岩本君、ゴメン。やっぱり僕にはさっぱり理解できないや。でも、ホラ、こうやって宣伝しといたからね。それでも商売が成り立っているのは、やっぱり好きな人がいるおかげらしい。店を立ち上げるに当たり、アメリカのショップにはもちろん、リバプールにまで行って、いろんなグッズを仕入れてきたそうだ。ビートルズ好きにはたまらんはずなので是非行ってみてくださいね。
「そういえばジョンが使っていたオベーションのグレンキャンベルが無いね」と言うと、「そうですね、買わなきゃ」って言ってました。ビョーキだ(笑)
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