'78 AlfaRomeo Giurietta 1600 〜華麗なるクルマ遍歴シリーズ(5)〜

2009年08月31日

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 ある日ビーズガレージにやってきたちょっと変わったアルファロメオにどきどきしてしまう。オーナー氏、実はフツーのセダンに乗り換えたいんだと言う。あら?フツーのセダンだったら僕のエグザンティアなんていかが?となぜかクルマを交換して試乗会になってしまう。伝統のアルファ直列4気筒エンジンにウェーバーDCOEキャブレターがツインで付いてたこのクルマ。社外品のアンサーのマフラーの音も凄まじく、一発で欲しくなってしまう。当のオーナー氏もエグザンティアを気に入ったらしく、なんと僕らはクルマを交換してしまうことにした。こんなことは後にも先にもこれっきりである。
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 '78のアルファロメオ・ジュリエッタ。ジュリエッタと言えば1958年のやつが有名。映画「卒業」でダスティン・ホフマンが乗ってたアレ。それに対してこいつはヌオーバ(新しい)・ジュリエッタと呼ばれていたんだけど、実は「アルファロメオ最大の失敗作」と揶揄されたクルマでもある。でもさぁ、この佇まい、好きなんだよね。後継車は名車アルファ75。実はこのクルマ、前後重量配分の平均を取るべくトランスミッションがリアにある。なのでプロペラシャフトがもの凄い回転数で回ることになる。これのラバージョイントがこのクルマの弱点。これは75やSZなんかも同じ。
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 買ってすぐ、やはり富士見-川越有料道路近辺でクラッチが床まで踏み抜けてしまう。あ、デルタのときと同じじゃん、クラッチレリーズシリンダーだ。で、エンコ。友達にレスキューに来てもらい、ブレーキフルードを補充、ビーズガレージまでだましだまし帰還。その後どうもエンジンの調子が良くないと、調査したところ換装してあったウェーバーのキャブのバタフライが偏摩耗していたせいだった。ここでビーズガレージ秘蔵の排ガス対策前のウェーバーを譲っていただき、これに換装しちゃった。

 フロントのブレーキローターも減っていたのでアメリカから部品を個人輸入。ついでにキャブレターの同調プレートも買う。ところがやってきたローターのサイズが全然違った。個人輸入だと返品もできない。普通は泣き寝入りなんだが、ビーズガレージで旋盤借りて無理矢理サイズの調整しちゃいました。キャブには同調プレート(これもサイズが合わなくて糸鋸で加工)くっつけて、ちゃんとしたリンケージつけて、ジェット類も適正なものに交換したらすこぶる調子が良くなった。
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 ウェーバーツインの調整ってプロの技だと思ってたんだけど、ビーズガレージのTさんのご教授のもと、やってみたらカンペキにマスターしてしまった。要するに楽器のチューニングと同じなのである、これが。エンジン音を聞きながら4つのキャブレターが全く同じ仕事をするように調整していく。カンペキに仕上がったジュリエッタをU-PowerのUさんに見せたところ、黙ってキャブをいじっていたUさんが一言「いいみてーだ」。これは心底うれしかったぞ。このクルマを磨きに出したところ、磨き屋のオヤジに「このクルマ、500rpmでアイドリングするぞ、すげーな」と言われて鼻が高かった。

 いじり甲斐はあったのだが、クルマとしてはやはりダメグルマであったなぁ。FRなのにオニのようにステアリングが重く、峠では全然曲がらない。1600ccの直4エンジンは吹け上がりは軽いのだがトルクはすかすかで遅かった。なによりブレーキが全然効かないので怖くて飛ばせない。トランスミッションがリアにあったのでシフトフィールは悪く、レバーはぐにゃぐにゃだった。それよりマフラーがオニのようにうるさかった。道端の女の子に耳をふさがれたこともあった。でもいい音だったんだよなぁ。で、2CV乗りの友達に売ってしまった。


コメント

すっかりクルマブログですな。
しかし、この頃はみんな直してから処分してるね。もったいない。

なんか治ると飽きちゃってましたね>酔狂

Min^2って相変わらず文章うまいね。むかしXanのISCバルブにマレリの文字を発見して卒倒したクダリはいまだに忘れられないなぁ。今度どこかの媒体で書いてみない?

あ、ありがとうございます>まゆだん
やります、やります。今度ぜひ!

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