Walz for Debby 2
2010年10月30日
問題の演奏はタウナーのアルバム「Open Letter」に入ってます。ドラムのピーター・アースキンとのデュオがメインとなっていて、やっぱり素晴らしいです。問題の「Walz for Debby」ですが、やはりエヴァンスの原曲を聴きまくった身としてはソロフレーズに笑っちゃったりしますけど、タウナーのエヴァンスに対する「愛」が感じられて素晴らしい出来だと思います。
で、いきなりですが、これがWalz for Debbyのタブ譜です。Power Tab Editorなんかを持っているヒトはptb形式のファイルもあります。こっちだとMIDIで再生できたりします。所詮テーマ部分だけですが、正直弾きこなすにはかなり難易度高いと思います。なので、ちょっとさわり、だけ見てみましょうか。
最初の4小節、原曲のコード進行はFmaj7/A→Dm7→Gm7→C7です。キーはFなのでフォークやロックをやってるひとには見慣れないコードかもしれませんが、キーをたとえばGに転調すれば、Gmaj7/B→Em7→Am7→D7となって、ああなんだ!って感じでしょ?で、ギタリストの場合、やりやすいキーに転調したりするんですが、タウナーの場合はエヴァンスのオリジナルFメジャーキーを採用してるってところが、そもそも注目点なわけです。絶対ソロギターでレギュラーチューニング、Fキーなんて不利に決まってますから。

実はこれオリジナルの譜面ではありません。Fmaj7/A→Dm7→Gm7→C7というコード進行で、あのメロディーだったら、僕はこうやって弾くかなぁ。もちろん何も考えないで、という条件付きですが。で、譜面も読めないし、ギターも弾けないってひともいると思うので録音してみました。
■ワルツ・フォー・デビー1[mp3]
別に問題はありません。だって理論的には間違ってないもーん。ですが、タウナーはこう弾いてます。

最初からへんてこりんなコードです。押さえるのは結構つらい。ただし、僕のアレンジとは1音違うだけです。わざわざルートのF音とメジャー7thのE音を半音でぶつけてます。2小節目、今度はメロディーのF音にDのマイナー7thのE音をこれまた半音でぶつけてます。さらに4小節目のC7には9thのテンションD音を乗せてメロディーのE音と今度は全音でぶつけてます。
実はギターというのは半音とか全音という、2度の音をぶつけるとコードがリッチな響きになる楽器なんです。一般的には2度というともの凄く不協和音であり、他の楽器なんかだと濁ってしまうんですが、ギターでうまいことやると美しい響きになるんです。ちょっと聴いてみましょう。
■ワルツ・フォー・デビー2[mp3]
うーん、微妙〜。ほんのわずかな差だとは思いますが、ラルフ・タウナーのプレイがなんというか神々しさを感じたりするのはこういった小さな和声の積み重ねだと思うんです。

途中出てくるこのメロディも通常はDm7のところはこうやって弾いちゃいますわね、普通。

でもタウナーはこうやってるんです。1音違うだけ。Dm7に6thを加えてる。もの凄く綺麗な響きだと思いませんか?エヴァンスが好きだからこそ、あの和声の素晴らしさをギターに置き換えるに当たり、ギターにしかできないヴォイシングに変えている、というタウナーの意志が伝わってきます。
譜面を追ってみると目から鱗が落ちるポイントだらけです。それだけにもの凄く指のストレッチを要求するコードもあるんですが、研究してみる価値は大だと思いますよ、ギタリストのみなさん。
で、いきなりですが、これがWalz for Debbyのタブ譜です。Power Tab Editorなんかを持っているヒトはptb形式のファイルもあります。こっちだとMIDIで再生できたりします。所詮テーマ部分だけですが、正直弾きこなすにはかなり難易度高いと思います。なので、ちょっとさわり、だけ見てみましょうか。
最初の4小節、原曲のコード進行はFmaj7/A→Dm7→Gm7→C7です。キーはFなのでフォークやロックをやってるひとには見慣れないコードかもしれませんが、キーをたとえばGに転調すれば、Gmaj7/B→Em7→Am7→D7となって、ああなんだ!って感じでしょ?で、ギタリストの場合、やりやすいキーに転調したりするんですが、タウナーの場合はエヴァンスのオリジナルFメジャーキーを採用してるってところが、そもそも注目点なわけです。絶対ソロギターでレギュラーチューニング、Fキーなんて不利に決まってますから。

実はこれオリジナルの譜面ではありません。Fmaj7/A→Dm7→Gm7→C7というコード進行で、あのメロディーだったら、僕はこうやって弾くかなぁ。もちろん何も考えないで、という条件付きですが。で、譜面も読めないし、ギターも弾けないってひともいると思うので録音してみました。
■ワルツ・フォー・デビー1[mp3]
別に問題はありません。だって理論的には間違ってないもーん。ですが、タウナーはこう弾いてます。

最初からへんてこりんなコードです。押さえるのは結構つらい。ただし、僕のアレンジとは1音違うだけです。わざわざルートのF音とメジャー7thのE音を半音でぶつけてます。2小節目、今度はメロディーのF音にDのマイナー7thのE音をこれまた半音でぶつけてます。さらに4小節目のC7には9thのテンションD音を乗せてメロディーのE音と今度は全音でぶつけてます。
実はギターというのは半音とか全音という、2度の音をぶつけるとコードがリッチな響きになる楽器なんです。一般的には2度というともの凄く不協和音であり、他の楽器なんかだと濁ってしまうんですが、ギターでうまいことやると美しい響きになるんです。ちょっと聴いてみましょう。
■ワルツ・フォー・デビー2[mp3]
うーん、微妙〜。ほんのわずかな差だとは思いますが、ラルフ・タウナーのプレイがなんというか神々しさを感じたりするのはこういった小さな和声の積み重ねだと思うんです。

途中出てくるこのメロディも通常はDm7のところはこうやって弾いちゃいますわね、普通。

でもタウナーはこうやってるんです。1音違うだけ。Dm7に6thを加えてる。もの凄く綺麗な響きだと思いませんか?エヴァンスが好きだからこそ、あの和声の素晴らしさをギターに置き換えるに当たり、ギターにしかできないヴォイシングに変えている、というタウナーの意志が伝わってきます。
譜面を追ってみると目から鱗が落ちるポイントだらけです。それだけにもの凄く指のストレッチを要求するコードもあるんですが、研究してみる価値は大だと思いますよ、ギタリストのみなさん。
コメント
譜面だとわからんけど、聞くとわかるね。
Posted by jun at 2010年10月30日 18:48
ありがとうございます>jun
Posted by Min^2 at 2010年10月30日 23:39